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代謝を理解して健康UP&ダイエット

代謝とは

脂肪とは

脂肪合成メカニズム

脂肪消費メカニズム

オーダーメイド・ダイエット

太る原因

①エネルギー収支のアンバランス

食事量が多くて生活活動・運動が足りない

栄養知識不足で、無意識にカロリー過多

間食

●摂取カロリーが消費カロリー(基礎代謝+活動エネルギー)を上回れば太る

摂取カロリー=炭水化物・タンパク質(4kcal)x摂取g+脂肪(9kcal)x摂取g

消費カロリー=基礎代謝+消費エネルギー  (基礎代謝は年齢、性別、筋肉量などで異なる1100~2000kcal)

※基礎代謝・・・生命を維持するための最小必要量のエネルギー量

②加齢による筋肉量の減少で基礎代謝が低下 ⇒ 消費エネルギーが恒常的に減少

③加齢や生活環境の変化による代謝機能の低下

酵素、ホルモン分泌の減少により脂肪が分解、燃焼されにくい、太りやすく、痩せにくい体質に変化

・加齢によるインスリン抵抗性上昇で ⇒ 糖代謝の低下にともなう糖から中性脂肪への蓄積増加

・成長ホルモンの分泌低下 ⇒ 脂肪や糖質の代謝(分解)減少

・性ホルモンの分泌減少

(女性)エストロゲンの分泌減少による脂肪代謝の低下

(男性)テストステロンの分泌減少は骨、筋肉、血管の維持だけではなく、脂質バランスにも影響がある

④アルコールでも太る

アルコールは肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH)により、アセトアルデヒドとニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NADH)に分解され、さらにアルデヒド脱水素酵素により酢酸へと代謝される。最終的に酢酸は水と二酸化炭素に分解されて体外へ排出される。酢酸は安静時のエネルギー源として脂肪の代わりに利用されるため、結果的に脂肪分解が抑えられる。さらに酢酸は脂肪合成の原料となるアセチルCoAにも変換される。またニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NADH)の増加は脂肪酸の合成と蓄積を促進する。肝臓内で産生した有毒性のアセトアルデヒドは脂肪燃焼(遊離脂肪酸の取り込み)をになうミトコンドリアの機能を低下させてしまい、肝臓に脂肪が蓄積されていく。

⑤薬剤による体重増加

抗うつ薬・・・体脂肪正常維持をになう視床下部の神経伝達システムに干渉

インスリン・・・インスリンの糖質からの中性脂肪への転換作用

ホルモン剤(ステロイド、避妊薬、女性ホルモンほか)・・・電解質の代謝異常

⑥疾病による代謝異常

・甲状腺機能低下症(橋本病含む)・・・脂肪分解機能低下、酸性ムコ多糖類の蓄積

・先天性肥満・・・βー3アドレナリン受容体変異(脂肪組織に存在し、脂肪燃焼作用を脂肪細胞に伝える役目のβー3アドレナリン受容体に変異があると1日200kcal以上代謝が減少するとされる。日本人、黄色人種は比較的多いといわれている)

・クッシング症候群・・・副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の過剰分泌による体幹部の過剰な脂肪蓄積

・レプチン(受容体)欠損症・・・レプチンは脂肪組織で作られ、強力な飽食シグナルを伝達することで交感神経活動を亢進させ、エネルギー消費を増大させる。肥満の抑制、体重増加を制御するペプチドホルモン。ギリシャ語の「痩せる」の意味。

※脂肪細胞から分泌される因子(アディポサイトカイン)

アディポネクチン・・・糖尿病、動脈硬化抑制

レプチン・・・食欲抑制

PAI・・・血栓合成

TNF-α、MCP-1・・・インスリン抵抗性

代謝とは

酸素の触媒作用により、身体内で行われる物質の分解、合成作用の総称。外部から摂取した食品などを身体に必要な構成物質に変え、体内の物質を分解して生命活動を維持するためのエネルギーを作り出す。これらの合成、分解反応はすべて別々の酵素の触媒作用による。異化(カタボリズム)はエネルギーを獲得するための分解代謝。同化(アナボリズム)はエネルギー消費を伴う合成代謝。

エネルギー代謝は、高エネルギー運搬化合物ATP(アデノシン3リン酸)を介して行われる。異化ではATPが合成され、エネルギーを産出。同化ではATPを還元することでエネルギーを消費する。ATP(アデノシン3リン酸)は人間を含めあらゆる生物のエネルギー供給源。ATPをADP(アデノシン2リン酸)とリン酸に加水分解することでエネルギーを産出させる。運動は勿論、細胞の中の様々な化学反応の進行、においや味を感じる、あるいはDNAの複写まで、あらゆる生命活動にATPは利用される。ATP+H²O⇒ADP+H³PO⁴+30.6kJ(7.3kcal) ATPが分解されて出来たADPとリン酸は、栄養素を燃焼して得られるエネルギーによって再びATPに合成される。人間の体内にはわずか数10グラム、約3分間分のATPしか存在しないが、常に合成を続けることで一日に体重分に相当するATPが合成される。

 

脂肪とは

・脂肪は糖質(グリコーゲン)の6倍もの大量のエネルギーを貯蔵することが出来る。糖質は24時間程度の短期的なエネルギー貯蔵形態なのに対し、脂肪は長期的で大量の貯蔵形態であり、運動や生活動作のための最も大きく、効率的なエネルギー源(糖質・タンパク質1gあたり4kcalに対し、脂肪は1gあたり9kcalのカロリー産出)。

・脂肪(脂質)は細胞膜を構成する生体の重要な成分でもある。細胞膜はホスファチジルコリンとコレステロールが主成分で疎水性と親水性をあわせ持つ脂質二重層を構成する。また性ホルモンやステロイドホルモン、ビタミンDの材料にもなる。

・中性脂肪(トリグリセリド)は、グリセロール3基の水酸基に脂肪酸がエステル結合したもので、脂肪の安定した備蓄形態。

・コレステロールは生体膜(細胞膜)をつくる脂質で、大部分は食事摂取ではなく、体内で合成される。コレステロールは脂質なので血液になじみやすいタンパク質に包まれて(この状態をリポタンパクという)血液中を流れる。リポタンパクはその比重の違いにより役割も異なる。

カイロミクロン ⇒ 主に中性脂肪運搬

超低比重リポタンパク(VLDL) ⇒ 主に中性脂肪運搬

低比重リポタンパク(LDL) ⇒ コレステロールを肝臓から組織へ運搬

高比重リポタンパク(HDL) ⇒ コレステロールを組織から回収

 

脂肪の消化吸収・合成メカニズム

・肉類、魚、乳製品などは重要なタンパク源であるが、豊富な脂肪も含む。食品として摂取された脂肪は分子的に安定した中性脂肪の形で、消化の過程で十二指腸で胆汁により乳化され、膵臓からの消化酵素リパーゼの働きでモノグリセリド、脂肪酸、グリセロールに分解される。親水性のグリセロールはそのまま小腸上皮細胞から吸収されるが、モノグリセリドと脂肪酸は腸内に分泌された胆汁酸の働きで、親水性のミセルに取り込まれ腸管から吸収される(ミセル形成は脂肪吸収には必須の過程)。小腸上皮細胞内に入った脂質は、タンパク質と結合してリポタンパク質のカイロミクロン(上記コレステロール参照)を形成してリンパ管から吸収された後、腹部、胸部、さらに心臓をめぐって全身に運ばれる。

・皮下脂肪は皮下組織の膠原繊維に多量の脂肪細胞が集積した脂肪組織で、さらに脂肪細胞同士や老廃物が付着するとセルライトを形成する。

・内臓脂肪は腹腔内の大網膜、腸間膜に蓄積、貯蔵された脂肪組織。内臓脂肪は皮下脂肪に比べて代謝の活性が高く、食事の改善や運動で減少させやすいといわれている。

・筋肉内脂肪は、筋細胞内部の脂肪(IMCL)蓄積と筋繊維間の脂肪蓄積である筋細胞外脂肪(EMCL)がある。肥満や体形のゆるみに関係するのは筋細胞外脂肪(EMCL)で、長年運動を続けて来た人に、運動を休止すると筋肉内脂肪の肥大がよく見られるのは、筋力の低下により脂肪前駆細胞への抑制力が弱まることで、運動休止によるエネルギーの余剰とあいまって脂肪の分化が助長されるものと考えられている。筋細胞内脂肪は(IMCL)は、2型糖尿病の原因となるインスリン抵抗性を引き起こしやすいこともわかっている。

・ほとんどの食肉の脂肪酸は飽和脂肪酸で、融解温度が高いため常温で固体でありエネルギー消費されにくい。対して植物や青魚の脂肪酸は不飽和脂肪酸が多く、融解温度が低く常温で液体でありエネルギーとして消費されやすい。

・糖質(炭水化物)の摂取により血糖値が上昇すると血糖値を下げるためにインスリンが分泌され、全身の細胞にエネルギーとして糖(グルコース)を送り込むが、余剰となった糖は脂肪細胞へと取り込まれ中性脂肪へと転換されて脂肪が蓄積される。血糖値のコントロール(糖質摂取コントロール)によるインスリンの過剰分泌抑制が必要なことも多い。

 

脂肪の消費(分解)メカニズム

・脂肪を燃焼(消費)するには瞬発的な激しい運動よりも、持続的な有酸素運動が有効。運動時にはまず糖質(グリコーゲン)がエネルギー源として利用され、糖質が枯渇するとアドレナリン、ノルアドレナリンなどのカテコールアミンによって活性化されたホルモン感受性リパーゼにより、中性脂肪がグリセロールと脂肪酸に分解され、血中に放出され(脂肪動員)、可溶性タンパク質の血清アルブミンと結合し不溶性が解かれる。

・脂肪の持つエネルギーの大半は脂肪酸に含まれる。脂肪酸は酸素を消費することで(β酸化、脂肪酸の代謝において脂肪酸を酸化して脂肪酸アシルCoAを生成し、そこから最終産物として大量のアセチルCoAを取り出す代謝経路)、細胞内のミトコンドリア内で二酸化炭素と水に完全分解(酸化)されることで大きなエネルギーを放出、骨格筋、心臓、肝臓など身体中の大きなエネルギーとして利用される。

※グリセロールはグリセロールキナーゼによりリン酸化してグリセロール3リン酸となって、再び脂肪酸の合成に使われるか、解糖系または糖新生に利用される。

※解糖系は嫌気状態(無酸素運動)でも好気状態(有酸素運動)でも機能する生化学反応経路。グルコースをピルビン酸などの有機酸に分解(異化)してグルコースの持つ高い結合エネルギーを利用する代謝過程。

※糖新生とは、食事で糖質がエネルギー源として不足したり、運動で枯渇した場合、乳酸、アミノ酸など糖質以外から新たにグルコースを再生する過程のこと。脳などの神経組織や赤血球はグルコース以外をエネルギー源として利用しないため、新たなグルコース合成経路が必要になる。

 

オーダーメイド・ダイエット

●現状と原因の把握

・どの程度のダイエットが必要か?(体重、体脂肪率、ウエスト回り、ヒップ、太もも、二の腕他)目標設定

・原因ファクターの確認(食事内容とカロリー収支、年齢が起因する変化、飲酒の程度、病気や薬他、エネルギー消費量、基礎代謝+運動・活動エネルギー)

●実現容易なプラン設定

①強めの脂肪摂取コントロール

・運動や健康な身体に大切なタンパク質は肉や魚に豊富に含まれるが、脂肪を多く含むためその選別がポイント。肉は鶏肉のささみ、ムネ肉(皮なし)がベスト。もも肉も皮を取ればベター、牛・豚はヒレ肉、もも肉が脂肪が少ない。

・青魚の脂肪酸は不飽和脂肪酸であり、健康へのメリットも大きい。揚げ物は一切摂らない。

・乳製品は低脂肪か無脂肪を選ぶ。

②糖質コントロール

・余剰な糖質はすべて脂肪に代わることを肝に銘じ、運動頻度に合わせた量と頻度で。

・食後の糖質摂取は血糖スパイク(血糖値の急上昇)を引き起こし、インスリンが過剰分泌され脂肪がさらに蓄積される。

・夕食の糖質を摂らない。適度に糖質摂取量を控えることで、脂肪燃焼ホルモンのグルカゴンの分泌を促進させる。

③飲酒コントロール(週1回まで)

アルコールは脂肪合成を促進させる。ダイエットの目標を達成するためにはコントロールは必須。

④きつめの筋トレ + 30分以上の有酸素運動を週2~3回

・基礎代謝を上昇させるために、筋肉量を増やして脂肪を減らす。⇒少しきつめの筋トレを有酸素運動の前に行う。

・毎日の生活の中に習慣化できる運動を取り入れる。

歩く機会を増やす(1つ前のバス停、階段利用、自転車から歩きへ)

ジム・運動施設で定期的な運動(週2~3回)

自宅でのエクササイスの習慣化(有酸素運動は屋外でのウォーキング、ジョギング)

●代謝機能改善効果

・きつめの筋トレを行うことで、筋量が増加し基礎代謝が上がる。

きつめの筋トレを週2~3回

タンパク質摂取量を増やす。体重1㎏あたり×1.2~2g (体重60㎏⇒72~120g)ただし、脂肪摂取に注意。特に肉類は脂肪の少ないもの、乳製品は無脂肪、ホエイプロテインなどはタンパク質摂取に有効。

・成長ホルモン分泌促進

脂肪蓄積を抑える成長ホルモンは年齢とともに分泌が急落するが、無酸素運動を行い乳酸を産生することで分泌が促される。トレーニング内容も、まず筋トレなどの無酸素運動で乳酸を引出し、成長ホルモンが分泌された状態で、有酸素運動を行えば効果的に脂肪分解促進される。

・運動頻度を増やせばアドレナリン分泌が活性化

運動を習慣化することでアドレナリン分泌が活発になり、エネルギー代謝が向上し脂肪燃焼しやすい身体になる。また運動による活動時間帯の交感神経の刺激は、夜間のリラックス時の副交感神経に作用して、質の良い睡眠が得られ自律神経バランスも整えられる。

・脂肪燃焼ホルモン、グルカゴン分泌促進

インスリンが血糖値を下げ脂肪を蓄積させるのに対し、同じ膵臓から分泌されるグルカゴンはその逆の、血糖値を上げ脂肪を燃焼させる働きがある。糖質摂取を抑えることでインスリン分泌が抑制されるのと逆にグルカゴン分泌が促進される。適度の糖質制限は脂肪燃焼に効果的。

※グルカゴンには脳で糖新生を抑えて、血糖値上昇を調整する働きもあるが、糖尿病や高脂肪食ではこの機能が弱まり、血糖値が高止まりするリスクがある。

※インスリン同様、グルカゴンにもホルモン抵抗性(過剰分泌などでホルモンが機能を果たせなくなること)がある。過剰で長期の糖質制限は、脂肪燃焼に逆効果であるばかりか、代謝機能の低下を招きかねない

 

サプリメントの効果的な利用

 

サプリメントを利用する目的
・病気の予防や医療機関の薬の処方で足りない部分の補てん自己治療       

・体力強化や筋肉増強など健康の増進

  ⇒①タンパク質の補充

  ⇒②抗酸化

①タンパク質の補充

健康で丈夫な身体を維持するためには豊富で質の良いタンパク質の摂取が大切。しかしそれには脂肪がもれなくついてくる。というよりも牛肉のように脂肪のほうが多い食材が多く、ダイエット、高脂血症など健康のためにタンパク質摂取そのものを控えざるを得ないケースも多い。また加齢とともにタンパク質豊富な食材を減らす傾向もある。食事からだけでは質、量とも十分でなければ個々人の生活環境に見合ったタンパク質をサプリメントとして効率的に摂取して補うことが必要。

サプリメントの形態

・プロテイン(ホエイ・カゼイン・大豆)

・アミノ酸(必須アミノ酸、BCAA他)

②抗酸化

 ⇒動脈硬化予防、アンチエイジング

☆ビタミンC   ・コラーゲンなどのホルモン合成の補助   ・優れた抗酸化作用

 ビタミンEとともに抗酸化力を持つビタミンとしての代表格。水溶性であるため、細胞膜外で抗酸化力を発揮、余剰分としては貯蔵できない。激しい運動、喫煙、ストレス、睡眠不足などによって、大量に消費されると、身体は酸化状態に陥る。個人の生活習慣に応じて一日100mg以上の摂取が有効。

☆ビタミンE   ・抗酸化物質の主役   ・脂溶性であるため細胞膜内で能力発揮

 ビタミンCが水溶性であるため細胞膜を通過できないのに対し、ビタミンEは脂溶性であるため細胞膜を通過し膜内で抗酸化力を発揮する。ビタミンCとEを合わせて摂取することが抗酸化の基本。フリーラジカルが原因の動脈硬化、がん、糖尿病は勿論、老化防止のためには一日100~300mgの摂取が有効。

☆コエンザイムQ10 ・エネルギーを生み出す酵素の働きを助ける重要な補酵素 ・抗酸化作用、ビタミンE再生力

 人の身体の細胞のミトコンドリアの外壁に存在し、細胞の活動エネルギー産生に大きく関わる。心臓や腎臓、肝臓、脳など活動が活発な臓器に多く存在。また細胞膜やLDL(低比重リポたんぱく質・悪玉コレステロール)内にも存在し、発生するフリーラジカルを消し去る上に、ビタミンEを再生する能力を発揮するため、抗酸化作用では欠かせない補酵素。

☆カロテノイド色素サプリメント 主に植物に存在する色素でビタミンEよりはるかに速やかにフリーラジカルを消去

・βカロチン 身体の中でビタミンAに変化する脂溶性の色素成分、一重項酸素を消しスーパーオキシド・ラジカルが発生するのを防ぐ抗酸化力をもつ。

・リコピン  トマトなどの赤黄色野菜に含まれる色素成分、カロテノイド色素の中でも最も高い抗酸化力をもつ。

・ルテイン  人体では目の網膜に存在するため、目を保護する作用が期待される。

・アスタキサンチン  リコピンに次ぐ強い抗酸化力をもつ。血液中のLDLが酸化されるのを抑える効果があるので、動脈硬化予防にも。サケやマスの身とたまご、鯛の皮、エビやカニの殻の色素成分

・βクリプトキサンチン  βカロチン同様の作用、温州ミカンの皮に多く含まれる。

☆食品エキス・ハーブ

・カテキン  ビタミンEの20倍の抗酸化力をもつ。タンパク質や酵素を活性化させる作用も。

・ウコン 秋ウコンの主成分クルクミンの黄色の色素成分が強い抗酸化力。炎症を抑える、免疫細胞の活性化、血液中のLDLの酸化防止による動脈硬化予防などさまざまな力を持つが、過剰摂取による肝機能障害も報告されている

・ブルーベリー  4種類のブルーベリーが流通するが、ビルベリー品種にアントシアニンが最も多く含まれる。青紫のこの色素成分は強い抗酸化力を持つほか、網膜細胞のロドプシンという色素体に作用し眼精疲労や網膜症の改善が期待される。

・クランベリー  プロアントシアニンという成分が強い抗酸化作用、炎症を抑えたり、歯周病菌やピロリ菌への抗菌作用も期待される。

・シソ  古くからせきや痰を鎮める漢方として使われてきた。主成分のルテオリンというフラボノイドが抗酸化作用、αーリノレン酸には炎症を抑えたり、動脈硬化抑制、アレルギー改善が期待される。

・ニンニク  成分の硫化アリルは強い抗酸化作用を持ち、アリシンという香気成分は体内でビタミンB1と結合してアリチアミンとなりエネルギー生産作用を促進させ、疲労を回復させる。血管の収縮や心臓機能の調整にかかわるノルアドレナリン、男性ホルモンのテストステロンの分泌も促進。

・キャッツクロー  カテキンのほか、炎症や痛みを抑える作用のトリテルペンが含まれ、腰痛、神経痛、関節リウマチへの予防や改善に期待。WHOによって安全な抗炎症作用のある植物として認められている南米原産のアカネ科の低木。

☆抗酸化に必要な補助栄養素

・ビタミンB群                                   

ビタミンB2  細胞のなかで脂質からエネルギーを生み出すときに働くグルタチオンレグクターゼという酵素の働きを助ける、エネルギー生産に欠かせないビタミン。卵、牛乳、納豆などに多く含まれる。     

ナイアシン(ビタミンB3)  B2同様、エネルギー生産に不可欠なビタミン。魚、肉、野菜、穀物などさまざまな食品に含まれる。                         

葉酸(ビタミンB9)  造血に関わるビタミン。貧血、胎児の発育改善、動脈硬化予防に期待される。

・亜鉛  細胞内のDNAなど核酸の合成に関わり、正常な細胞分裂を促す。タンパク質からコラーゲンへの合成や成長ホルモンの分泌、成長ホルモンの分泌、骨の形成、免疫細胞の活性化など重要な役割を持つミネラル。

・セレン  コエンザイムQ10合成に欠かせない重要なミネラル。ただし極めて少量で効果があるため、過剰摂取に注意。上限は400マイクログラム/日。

~症例別に効果が科学的に示されているサプリメント~

アルツハイマー病 ⇒ イチョウ葉、ビタミンE                          

うつ病    ⇒ セントジョージワート                      

高コレステロール ⇒ サイリウム、ナイアシン、オレイン酸(オリーブオイル)                    

高血圧      ⇒ αーリノレン酸、カリウム、サイリウム、ビタミンC       

関節痛      ⇒ 唐辛子                            

骨粗鬆症  ⇒ カルシウム、ビタミン   

帯状疱疹     ⇒ 唐辛子                            

白内障      ⇒ ナイアシン、ビタミンB1、ビタミンA、ルテイン        

便秘  ⇒ オリーブオイル、サイリウム                       

勃起不全  ⇒ アルギニン、朝鮮人参                        

白斑       ⇒ 葉酸                             

日焼け、しみ   ⇒ クエン酸                           

結腸癌予防    ⇒ 共役リノール酸                                                

★サプリメント摂取の目的は現代人に不足したタンパク質、ビタミン、ミネラルの補充であり、食事代わりとしては役割は果たせない。
★健康食品に含まれる目的の栄養素は1%程度の物が多く、99%は添加物(味付けの甘味料、保存料、増量や成形のための凝固剤など)。
★テレビやインターネット通販の健康食品の原価は1割も掛けられない。(ネットワーク販売も同様)
★サプリメントの長所を活かす。(天然原料成分、多種類の栄養素の組み合わせ、薬では出来ない不定愁訴への活用など)

~薬との相性に注意~
コエンザイムQ10 ⇒ スタチン系(コレステロール降下薬)服用に有効,ワファリン(抗血液凝固薬)には逆効果

クロレラ、ビタミンE、K⇒ ワファリンには逆効果                  

クロム   ⇒ インスリンの働き強化(低血糖)

 

~効果の期待できないサプリメント~

酵素  糖、脂肪の代謝に欠かせない酵素だが、口から摂取しても強い胃酸に 消化、 分解され、本来の代謝機能はなくなっている。
コラーゲン・ヒアルロン酸  酵素と同様、胃液で分解されほとんどは尿として排出される。肉や魚から良質のたんぱく質を摂るべき。
グルコサミン  関節軟骨組織。体内で作られていたものが加齢とともに少なくなるので、サプリメントとして補うというもの。原料はカニやエビの殻を塩酸処理や微生物発酵で製造されるが、摂取してどの程度人間のグルコサミンに変換されるかは全く不明。それよりも問題は軽い痛みや違和感の段階でメンテナンスケアすればほとんどが改善するのに、このような結果の全く不明なサプリメントに頼って症状がより進行してしまうこと。
栄養ドリンク  一時的に元気になったと感じるのは、かなりの成分として含まれる糖質によって血糖が上がったことによるもの。(10~20g以上の合成甘味料や香料がつかわれている)もちろん50g程度ふくまれるカフェインの刺激も強い。

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